Wi-Fiで位置情報が正確になる理由とは?GPSとの違いと利用の注意点を解説

ポケットwifiの基礎知識

カーナビやスマホなど様々な機器で利用される位置情報は、目的地までの経路や現在地を知るために必要な情報です。

一般的に位置情報を知るためには、人工衛星を利用したGPSなどの方法がよく知られています。ですが、実は、位置情報を正確に特定するためには、GPSだけでは難しい場合もあるのです。そのような場面で便利な方法がWi-Fiを利用した位置情報の測定です。

位置情報の測定にWi-Fiを利用することで、

  • GPSで位置情報が測定できない場所でも測定可能になる
  • GPSの位置情報をより正確に補正できる
  • GPSが利用できない端末でも位置情報がわかる

などのメリットがあります。この記事では、なぜWi-Fiを利用すると位置情報が正確になるのか、Wi-Fiを使った位置情報の仕組み、GPSとWi-Fiの違いなどを解説します。

さらに、位置情報を利用する際の注意点も紹介しますので、これから位置情報を使うアプリなどを利用しようとお考えの方は是非ご一読ください。

1.Wi-Fiで位置情報が正確になる理由とは?

Wi-Fi 位置情報

Wi-Fiは、周辺にある複数のアクセスポイントから発せられている電波を計測し、それぞれの電波の強弱を調べることで利用者の位置を特定します。

この方法は室内での位置特定など、Wi-Fiアクセスポイントが多い場所で有効な方法です。Wi-Fiの電波がある場所であれば、5~100m程度の誤差で位置が特定できるようになります。

ただし、位置情報を一番正確に測定できるのはGPSです。そのため、Wi-Fiは測定位置をより正確にするために、GPSの情報を補佐する形で利用されます。

人工衛星を使って調べるGPSは宇宙から電波を飛ばすため、ビルなどの障害物や天候の変化などに弱く、利用できない場所が存在します。そのような場合にGPSの測定結果と合わせてWi-Fiを利用することで、より正確な位置情報の特定が可能になるという仕組みです。

2.Wi-Fiは室内の位置情報がより正確になる

Wi-Fi 位置情報

スマホやタブレット・ノートパソコン・カーナビなど、外に持ち出して利用することが多い端末では、位置情報は様々なサービスに利用されます。例えば、

  • 天気予報やニュース・周辺施設の案内などを自動で端末に表示
  • ゲームやマップアプリ・カーナビなどでリアルタイムに現在地を表示
  • SNSやメール・画像などに作成した日時や場所を自動で記録
  • 無くしたスマホの現在位置を特定する
  • 迷子になったお年寄りやお子様の現在地をリアルタイムで表示

など、位置情報を利用すれば、個人に合った形で様々な情報やサービスを受け取ることが可能です。ただし、位置情報をGPSだけで測定する場合は、高層ビルなどに囲まれている場所や空が見えない室内では、位置を特定できないことがあります。

そのため、GPSの情報を補佐する役割として、室内に強い電波を利用した技術が必要になります。Wi-Fiはその一つとして、GPSを補佐することで室内での位置情報を正確にすることに役立つ技術です。

3.位置情報を測定するにはどんな方法がある?

iphone

位置情報の測定には下記のような様々な方法があります。

  • 「GPS」 ₌ 人工衛星から電波を送信する
  • 「カーナビ」 ₌ 端末内のセンサー・ソフトとGPSを照合する
  • 「Bluetooth」 ₌ 専用のビーコン発信装置と通信する
  • 「モバイルネットワーク」 ₌ 通信先の回線基地局を特定する
  • 「Wi-Fi」 ₌ 周辺のアクセスポイントで電波の強弱を測定する

それぞれ計測する方法が異なりますので、どのような特徴があるのかそれぞれ解説していきます。

3-1.開けた場所では抜群の正確性「GPS」

GPS(全地球測位システム :Global Positioning System)は、地球を周回する30個ほどの人工衛星を使って、位置情報を特定するシステムです。

GPSは、人工衛星が周回中の軌道情報と正確な時間情報を、利用中の端末に向けて送信することで位置を特定する仕組みです。手元の端末に4個以上の衛星から同時に電波を受け取れる環境であれば、位置情報を非常に正確に特定できるという特徴があります。

単独の受信機では数十m程の誤差が出ますが、同時刻の近隣の測定データを利用して補正することで、数cm程度まで誤差を修正することが可能です。

ただし、空が見えない場所、4個以上の衛星と通信できない場所など、人工衛星からの電波が十分に受信できない場所では利用できません。

3-2.優秀なセンサーとソフトで限りなく正確な「カーナビ」

カーナビはGPSを利用して位置情報を測定しています。ただし、車などに搭載されている専用のカーナビでは、GPSの内容を車速センサーやジャイロセンサ、インストールされた地図情報などを利用して補正することで正確性を高めています。

例えば、立体駐車場や高層ビル群など、人工衛星の電波を十分に受信できないような場所では、内蔵されたセンサーや地図情報をもとに現在位置を推測して表示します。センサーの性能は年々向上しており、今後は、GPSの電波が届かない場所でも誤差数cmという単位で位置情報が取得できるようになると言われています。

ただし、据え付け型ではないスマホのカーナビアプリなどを利用する場合は、車載カーナビほどの高度なセンサーは利用できません。

3-3.結果が早く出る「モバイルネットワーク」

スマホや携帯電話などキャリアの回線基地局と通信する端末は、現在通信している回線基地局を「セルID」という個別の識別番号で特定することで、位置情報を得ることができます。

通話や通信に利用する電波で位置情報を特定しますので、スマホの電波が届く場所であれば屋内でも特定が可能です。さらに、必要な情報の一部を地上にあるサーバーから得られるため、全ての情報を宇宙から受信するGPSより、早く結果がわかるメリットがあります。

ただし、電波の強弱によって最大数km程度まで誤差が出る可能性があります。単体では回線基地局がある場所などの非常に大まかな位置しか特定できないことが特徴です。

そのため、モバイルネットワークによる位置情報の特定は、あくまでもGPSの補佐をする形で利用されており「A-GPS」(アシスト GPS)と呼ばれています。GPSの結果を早く表示したり、室内の精度を高めたりするために利用される技術です。

3-4.数cm~数十cmで位置情報がわかる「Bluetooth」

Bluetoothを利用した位置情報の特定は、Bluetooth 4.0から追加されたBLE(Bluetooth Low Energy )という技術を使って行います。短距離間で正確な位置情報を計測することが可能で、具体的には数cm~数十cmの誤差で位置情報を追跡することができます。

そのため、人や通信機器だけではなく、在庫管理など様々な物の位置情報に利用しようという試みが現在活発化しています。Bluetoothを利用した位置情報の測定は、今後開発される様々なIoT技術に利用される可能性がある技術です。

ただし、Bluetoothを利用した位置情報の特定には、ビーコンを発信する専門の装置が必要です。ですので、専用のビーコン発信装置を設置していない大半の利用者は、Bluetoothを利用した位置情報の特定は必要になる場面が少ない技術といえます。

現在は、専用のサービスや製品の他、一部の店舗やショッピングモールなどで利用されている技術です。

3-5.複数のルーターの電波を測定して位置を特定する「Wi-Fi」

Wi-Fiを利用した位置情報の特定は、Wi-Fiアクセスポイントから発信されている電波を手元にある通信端末がどの程度受信しているのかによって測定します。

Wi-Fi電波の強弱を参考にして、現在アクセスしているポイントからの距離や、周辺に存在する他のWi-Fiアクセスポイントからの距離を測定し、位置情報を特定する仕組みです。

Wi-Fiの有効範囲は非常に狭く、さらに、周辺にある複数のWi-Fiアクセスポイントを使って位置情報を測定することから、約5~100m程度の誤差で位置が特定可能な技術です。また、室内でもWi-Fiの届く範囲であれば、位置情報が特定できる特徴があります。

無線LANルーターやWiMAX、ポケットWi-FiなどのWi-Fiを利用するルーターは、それぞれ個別に「MACアドレス」というネットワーク機器の識別番号を持っています。

実は、GoogleやMicrosoft 、Appleなどの企業では、ルーターにつけられたMACアドレスと位置情報を紐づけしたデータベースを持っており、ルーターがどこにあるのかを把握しています。それらの情報は頻繁に更新されており、かなり正確な精度で現在利用しているルーターの位置情報が分かる仕組みです。

ただし、周辺にあるアクセスポイントの数が少ないと、測定結果があいまいになるデメリットが存在します。そのため、GPSやモバイルネットワークなど、他の検索方法と合わせて利用するほうが位置情報の正確性が向上します。

4.Wi-Fiの位置情報はGPSが使えなくても利用可能

Wi-Fiの位置情報を利用するために必要なものは、接続できるWi-Fiと通信機器のみです。

そのため、GPS機能やモバイルネットワークが利用できないデスクトップパソコンなどでも、Wi-Fiさえ使えれば位置情報を測定することは可能です。

ただし、位置情報はGPSを利用したほうが精密に特定できます。特に、周辺にWi-Fiアクセスポイントが少ないような場所では、Wi-Fiだけでは大まかな位置しか特定できないこともあります。そのため、通信機器がGPSに対応しているのであれば利用するのが賢明です。

モバイルネットワークやWi-Fiという測定方法は、あくまでもGPSの機能を補佐する役割が強く、単体では正確な位置情報を手に入れることは難しい技術となっています。

5.位置情報を利用する際の注意点

位置情報

ここまでに解説した通り、GPSとその他の測定方法を同時に利用すれば、屋内を含めた様々な場所で正確な位置情報を得ることができます。

位置情報は現在地を特定したり、自分の生活圏に合った情報を受け取ったりと非常に便利な機能です。現代人であれば利用しないほうが少ないといえます。

ただし、位置情報は、便利だからと言ってセキュリティ対策に気を付けずに全てのアプリで利用すると、個人情報の漏洩という点で取り返しのつかない事になる可能性があります。

5-1.画像の撮影場所がもろバレになるかも

デジタルカメラやスマホなど、GPS機能が搭載された機器で撮影する画像には、Exif(イグジフ)情報と呼ばれる「自動的に記録される撮影メモ」があります。

例えば、スマホのカメラアプリでGPS機能をオンにしたまま撮影すると、撮影した日時や位置情報などが画像に記録されてしまいます。

撮影した画像を自分で見るにはありがたい情報ですが、他人には知られたくない内容も含まれますので、デジタルカメラやカメラアプリのGPS機能には要注意です。

Exifに位置情報が記録されている画像をメールなどに添付すると、受け取った相手先でも画像を撮影した場所を知ることができます。また、自宅で撮影した画像をそのままネットに投稿してしまうと、画像のExif情報から自宅の住所がバレる可能性もあるのです。

位置情報を画像に記録しないためには、撮影する機器のGPS機能をオフにする必要があります。スマホの場合はカメラアプリのGPS機能をオフにするなどの設定が必要です。

スマホでは各アプリごとにGPS機能のオン・オフを切り替えできますので、GPSが不要なアプリは機能をオフにするよう心がけましょう。

5-2.不特定多数に見られるSNSなどでは注意しよう

TwitterやFaceBook、LineといったSNSには、自分がいまどこにいるのかをメッセージする機能があります。また、SNSのなかには、アプリのGPS機能をオンにしていると、自分の発言に自動的に現在地が追加される物も存在しています。

仲間内で現在地を教えるには便利ですが、そのようなアプリで位置情報を利用すると、予期しない不特定多数にも現在地が知られてしまう危険性があります。

ただし、現在の大手SNSでは、自動的に位置情報を追加しないように様々な予防策があり、故意に位置情報を伝えようとしない限り分からない仕組になっています。画像も同様にExif情報を自動的に削除してくれますので、ある程度は安心して利用できます。

ですが、すべてのアプリで位置情報の流出に予防策を用意しているわけではありません。SNSなど不特定多数に見られるようなアプリでは位置情報をオフにしたほうが安全です。

5-3.アプリごとに位置情報を使い分けることが重要です

スマホなどの位置情報は、全てのアプリで利用不可にする設定や特定のアプリだけで利用する設定、アプリを起動している時だけ利用する設定など様々にカスタマイズできます。

全てのアプリで位置情報をオフにすればセキュリティは高くなりますが、便利なGoogleマップやポケモンGOなどの位置情報を利用するゲームも使えなくなってしまいます。

ですので、位置情報を利用する際には、必ず使うであろうアプリだけにGPS機能を許可するような設定がおすすめです。

iPhoneでは、「設定」→「プライバシー」→「位置情報サービス」と進み、画面に表示されるアプリ一覧から位置情報を利用するアプリが選択可能です。

Androidの場合は、「設定」→「アプリと通知」→「権限」→「現在地」と進むと、位置情報を利用するアプリ一覧が表示されますので利用したいものだけオンにしましょう。

ご利用中のOSバージョンによっては設定画面にアクセスする方法が若干異なりますが、iPhoneでもAndroidでも、位置情報を利用するアプリは自由に選べます。位置情報を利用する際には、個人情報の漏洩にならない範囲で機能を使うようにしましょう。

まとめ

Wi-FiをGPSやモバイルネットワークと同時に利用することで、室内であっても位置情報の誤差が5~100m程度になり、比較的早く特定できるようになります。

GPSだけの場合、屋外の開けた場所では位置情報を正確に特定できますが、屋内では不可能です。また、携帯電話の基地局を使った位置情報は、早い特定が可能ですが場合によっては数kmも誤差が出ることがあります。

Wi-Fiは、端末の周辺にある複数のアクセスポイントを利用して位置情報を特定するため、狭い範囲で誤差の少ない測定に役立ちます。ただし、単体ではアクセスポイントの数によって誤差が大きくなる特徴がありますので、GPSよりは精度が低い測定方法です。

そのため、正確な位置情報が必要な場合は、Wi-Fiと共にGPSやモバイルネットワークを同時利用する方法で測定しましょう。

位置情報の利用は様々な機能を便利にしてくれます。ですが、設定によっては、現在地や過去にいた場所などの情報を第三者に漏らす危険性もあります。ですので、位置情報を利用する際には、アプリごとの設定をきちんと管理することにも気を付けてください。

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