モバイルWiFiを選ぶときに気になるのが速度制限です。「無制限で使い放題」と書いておきながら、実際は「月間データが無制限で日数制限アリ」「日数制限はなくても月間制限アリ」のモバイルWiFiがほとんど。無制限の意味がとてもわかりづらいです。
格安の定額動画配信サービスも増えたため、「日数・月間制限のない完全無制限モバイルWiFiを使いたい!」と思う人もたくさんいるでしょう。実は2019年に入って、「どんなときもWiFi」をはじめ、完全無制限モバイルWiFiを提供する会社が少しずつ増えてきました。
TwitterをはじめSNSでも、完全無制限モバイルWiFiは「使いやすい!」と評判です。WiMAXや他モバイルWiFiのユーザーで、乗り換えを検討する人も少なくありません。私もそのうちの1人です。しかし、「WiMAXなど従来の無制限モバイルWiFiよりも、完全無制限モバイルWiFiを使うべき!」と断言できるんでしょうか?
この記事では、失敗しないモバイルWiFi選びができるよう、次の流れで無制限モバイルWiFiについてわかりやすく説明します。
- 完全無制限モバイルWiFiの5つの特徴
- おすすめの格安無制限モバイルWiFi4選
- 完全無制限モバイルWiFiの注意点5つ
安くて使いやすいモバイルWiFiを探している人は、必見ですよ。
1. ここがスゴイ!完全無制限モバイルWiFiの5つの特徴
2019年に入って、完全無制限モバイルWiFiが登場しました。従来のモバイルWiFiにない使い勝手の良さで人気を集め、WiMAXや他モバイルWiFiから完全無制限モバイルWiFiに乗り換える人が増えています。まずは、今までのモバイルWiFiにない、完全無制限モバイルWiFiならでは5つの特徴を確認しましょう。
1-1.速度制限が一切ない
完全無制限モバイルWiFiの一番のメリットは、速度制限が一切ないところ。WiMAXのように無制限なのは月間データだけで、3日で10GB以上使うと低速化する速度制限はありません。速度制限が一切ない理由は、クラウドSIMが搭載された端末を使っているからです。
クラウドSIMとは、ネットワーク上のサーバと呼ばれるコンピュータで複数のSIM情報を管理する通信技術。通信の空き状況に応じて、その都度、ネットワーク上にある最適なSIMにアクセスするため、通信制限をかける必要がありません。
しかし、従来のモバイルWiFiでは、1台の端末につき1枚のSIMカードを挿入して通信を行います。WiMAXならWiMAX専用のSIMカードしか端末に挿入できないので、回線混雑を防ぐために制限をかけざるを得ません。
従来のモバイルWiFiの欠点である日数・月数の速度制限がないところが、完全無制限モバイルWiFiの人気の秘密といえます。
1-2.平均実効速度は20~30Mbps!動画もストレスフリーで視聴可能
完全無制限モバイルWiFiの平均実効速度は、下り約20~30Mbps、上り約10~15Mbps前後です。完全無制限モバイルWiFiの端末は、「U2s」や「G4」を使う会社が多く、どちらも最大速度は下り150Mbps、上り50Mbps。最大速度の約1/5の実効速度が出るので、十分な速さでしょう。
一般的にインターネットの速度は10Mbps以上出れば、どの操作もストレスなく使えると言われています。最近は、定額制の動画配信サービスも増えてきました。速度制限なしで下りの平均実効速度が約20~30Mbpsも出れば、ストレスなく動画が視聴できますよ。
ただし、WiMAXの最新端末W06の下り平均実効速度が約40Mbps。WiMAXの速さに慣れている人からすれば、「少し遅い」と感じるかもしれません。
1-3. トリプルキャリアだから対応エリアは全国各地
完全無制限モバイルWiFiは、ドコモ・au・SoftbankのLTE網にアクセスできる会社がほとんどです。ドコモ・au・Softbankは全国の幅広いエリアで使える携帯電話。一部の僻地をのぞいて、全国各地で使えると思ってよいでしょう。
WiMAXは、電波の性質上、室内や遮蔽物の多いオフィス街ではつながりにくい特徴があります。しかし、大手キャリア3社のLTE網は、全国各地で使える携帯電話を想定して作られた電波。そのため、完全無制限モバイルWiFiは、どこに行っても通信が安定しやすいメリットがあります。
WiMAXや他モバイルWiFiの対応エリア外、つながりにくいエリアに住む人は、完全無制限モバイルWiFiに乗り換える価値はあるでしょう。
1-4.事前設定は一切不要!海外100か国以上で利用可能
完全無制限モバイルWiFiの端末は、渡航前の設定なしで海外100か国以上で使えるので便利です。1台の端末で、国内と海外両方で何の設定なしに使える理由は、クラウドSIMが搭載されているからです。クラウドSIMは、ネットワーク上に複数の通信会社のSIM情報を登録できます。そのため、日本の通信会社だけでなく、海外の通信会社のSIM情報もネットワーク上に登録可能です。
従来のモバイルWiFiの端末では、海外専用の端末をのぞき、国内でしか利用できません。1台の端末で国内・海外と両方で利用できるのは、完全無制限モバイルWiFiならではのメリットといえます。
ただし、海外に行くと1日に使える通信量は1GBであることが多く、それ以上使うと速度制限がかかります。渡航先によりますが、インターネットを使った日は、1,000円程度の通信料がかかると覚えておきましょう。
1-5.月額3500円前後と安い!契約期間中の料金はずっとそのまま!
完全無制限モバイルWiFiの月額料金の相場は、3.500円前後。WiMAXのギガ放題プランの月額料金が3,500~4,500円前後なので、速度制限一切なしで、全国各地で使える完全無制限WiFiのほうがコスパがよいです。
インターネット回線の月額料金は、契約更新後に値上がりすることがほとんど。しかも、安く使えるのは最初の数か月だけ。割引期間が過ぎると、相場もしくはそれ以上の月額料金になるモバイルWiFiも少なくありません。しかし、完全無制限モバイルWiFiは、どんなときもWiFiをのぞき、契約更新後も料金はそのままです。
ずっと定額で利用できて、料金プランも1つだけでシンプルなので、料金の面でもユーザーにとって使いやすいモバイルWiFiといえます。
2. おすすめの格安無制限モバイルWiFi4選
2019年12月現在、完全無制限モバイルWiFiは次の5社で利用できます。
- どんななときもWiFi
- 限界突破WiFi
- めっちゃWiFi
- よくばりWiFi
- Mugen WiFi
現時点では、どこも「1.ここがスゴイ!完全無制限モバイルWiFiの5つの特徴」で説明した特徴を備えています。そのため、提供会社ごとに速度や対応エリア、端末などに大きなちがいはありません。強いて挙げるなら、料金や解約金、サービス内容ぐらいでしょう。
完全無制限モバイルWiFiの5つの特徴を踏まえて、格安の値段で使える無制限のモバイルWiFiを4社紹介します。お手頃価格で使える無制限のモバイルWiFiを探している人は、参考にしてみてください。
2-1.口座振替で料金を支払うなら「どんなときもWiFi」
口座振替で料金を払いたい人におすすめなのが、どんなときもWiFi。モバイルWiFiの料金の支払い方法は、クレジットカードしか選べない会社がほとんどです。2019年12月時点で完全無制限モバイルWiFiで、インターネット経由の申し込みで口座振替が選べるのは、どんなときもWiFiしかありません。
月額料金が3,980円と、クレジットカード払いより500円高くなります。しかし、対応エリアも広く、違約金0円で好きなタイミングで解約できる「いつでも解約サポート」が使えるので、損をすることはないでしょう。
いつでも解約サポートとは、契約後に「速度が遅い」「つながらない」など使いづらいときに、好きなタイミングで解約できる無料のオプションサービス。いつでも解約サポートが指定する乗り換え先であれば、違約金は一切かかりません。ただし、「いつでも解約サポート」が指定する乗り換え先以外のインターネット回線を選ぶと、契約更新月以外に解約すると高額な違約金が発生するので注意しましょう。
どんなときもWiFiのサービス内容を表にまとめてみました。申し込みを検討する前に参考にしてみてください。
■どんなときもWiFiのサービス内容
月額料金 | クレジットカード払い:3,480円 口座振替:3,980円 |
初期費用 | 事務手数料3,000円 |
端末 | 機種:D1(U2s) 連続通信時間:約12時間 同時接続台数:5台 |
対応エリア | 国内:ドコモ・au・Softbank 海外:131か国 |
解約金 | 12か月未満:19,000円 13〜24か月:14,000円 25か月目:0円 26か月目~:9,500円 |
料金の支払い | クレジットカード、口座振替 |
その他特徴 | いつでも解約サポート |
※2019年12月時点の情報
2-2.とにかく安く使いたい人は「よくばりWiFi」
契約期間中の実質料金を節約したい人は、よくばりWiFiがおすすめです。契約から最大2か月間の月額料金が無料になるので、2年間の実質料金は79,780円。24か月で割った場合の実質月額は、3,324円です。2019年12月時点では、完全無制限モバイルWiFiのなかで最安値です。
月額料金は4,880円と割高ですが、1か月単位のレンタルもできます。1か月単位のレンタルなので、いつ解約しても違約金はかかりません。ただし、1か月だけの利用でも事務手数料3,880円を支払う必要はあるので注意しましょう。
よくばりWiFiのサービス内容を表にまとめてみました。申し込みの前に確認してみてください。
■よくばりWiFiのサービス内容
月額料金 | 24か月レンタル:3,450円 1か月レンタル:4,880円 |
初期費用 | 事務手数料:3,880円 |
端末 | 機種:U2s 連続通信時間:約12時間 同時接続台数:5台 |
対応エリア | 国内:Softbank 海外:113か国 |
解約金(※1) | 12か月未満:18,000円 13~24か月目:12,000円 25か月目:0円 26か月目~:9,500円 |
料金の支払い | クレジットカード |
その他特徴 | 月額料金が最大2か月間0円(※1) |
※1:24か月レンタルの場合。
※2:2019年12月時点の情報
2-3.お試し利用をしたい人は「Mugen WiFi」
試しに完全無制限モバイルWiFiを使ってみたい人は、Mugen WiFiがおすすめです。Mugen WiFiには、「30日おためし全額返金保証」があります。30日以内の解約で下記条件を満たせば、月額料金3,280円と事務手数料3,000円が全額戻ってお得です。
■30日おためし全額返金保証の条件
・申し込みから30日以内に「30日おためし全額返金保証」「解約理由」「決済番号」を記載のうえ、Mugen WiFiのお問い合わせフォーム経由で連絡
- 申し込み日から30日以内に端末を返却
- はじめてMugen WiFiを利用
- 返品までに使った通信量が50GB未満
2019年12月時点で、完全無制限WiFiを無料でお試し利用できる会社はありません。返品保証の条件を満たせば、利用者が負担するのは「返品処理手数料1,000円」と「端末の送料」だけ。なるべくお金をかけずに、完全無制限WiFiを試したい人は、Mugen WiFiを使ってみるとよいでしょう。
もちろん、使い勝手がよければ、月額料金が3,280円と安いので、そのまま使って問題ありません。解約金も他社よりも安く、12か月未満の解約なら9,000円、13~24か月目は5,000円、25か月目以降は無料です。
Mugen WiFiのサービス内容を表にまとめてみました。気になる人はチェックしてみてください。
■Mugen WiFiのサービス内容
月額料金 | 3,280円 |
初期費用 | 事務手数料:3,000円 |
端末 | 機種:U2s、G4 連続通信時間:約12時間 同時接続台数:5台 |
対応エリア | 国内:ドコモ・au・Softbank 海外:134か国 |
解約金 | 12か月未満:9,000円 13~24か月目:5,000円 25か月目~:0円 |
料金の支払い方法 | クレジットカード |
その他特徴 | 30日おためし全額返金保証 |
※2019年12月現在
2-4.速度重視派は「GMOとくとくBB WiMAX」
数日おきの速度制限があっても、実効速度が速い無制限WiFiを使いたい人は、GMOとくとくBBのWiMAXがおすすめです。GMOとくとくBBの月額料金の大幅割引キャンペーンで申し込むと、最新端末W06が月額2,170~3,480円と格安の値段でWiMAXが使えますよ。
WiMAXがつながりにくいエリアで、auスマホの通信回線が使えるLTEオプションも、GMOとくとくBBだと無料で使えてお得です。無料で配布される端末は、解約後に返却する必要はありません。
WiMAXのギガ放題プランの無制限は月間データ量のみ。3日で10GB以上使うと、翌日18時から翌々日の2時まで速度制限がかかります。平均実効速度が約40Mbpsと高速通信ができても、制限時は約1Mbpsまで低速化するので、そこだけ注意しましょう。
GMOとくとくBB WiMAXのサービス内容を表にまとめてみました。とにかくサクサク使える無制限モバイルWiFiを探している人は、確認してみてください。
■GMOとくとくBB WiMAXのサービス内容
月額料金(ギガ放題プラン) | 1~2か月目:2,170円 3~36か月目:3,480円 |
初期費用 | 事務手数料:3,000円 |
端末 | 機種:W06、WX05、L02、01 連続通信時間:約9時間(※1) 同時接続台数:16台(※1) |
対応エリア | WiMAX2+、au |
解約金 | 12か月未満:19,000円 13~24か月目:14,000円 25~36か月目、38か月目~:9,500円 37か月目:0円 |
料金の支払い方法 | クレジットカード |
その他特徴 | 20日以内の解約違約金無料 |
※W06の情報
※2019年12月時点の情報
3.実は制限がある!?完全無制限モバイルWiFiの注意点
速度制限が一切なしで格安の月額料金で使える完全無制限モバイルWiFiは、一見いいことだらけのように思えます。しかし、全くデメリットがないわけではありません。完全無制限モバイルWiFiの注意点を5つ紹介するので、申し込み前にチェックしてくださいね。
3-1.不正利用をすると通信制限がかかる
次の不正利用をすると通信制限がかかり、約384Kbpsまで低速化します。
- 漫画村や海賊版の映画など違法ダウンロード
- 他の利用者の妨げになる大容量通信
具体的に「いつ」「どの程度の通信」で速度制限がかかるとは、各社の公式サイトに記載されていません。どんなときもWiFiのサポートに確認したところ、「管理者側で不正利用と判断したとき」に制限がかかるようです。普通に使う分には何GB使っても、速度制限がかかる心配はありません。しかし、不正利用と判断されたら「速度制限がかかる」と、頭の片隅に覚えておきましょう。
3-2. ping値は遅いのでゲームには不向き
完全無制限モバイルWiFiはping値が平均55~70msと遅いので、オンラインゲームの利用は向いていません。ping値とは、通信機器の操作がサーバと呼ばれるコンピューターに届くまでの応答時間。ping値が遅いと、ゲームコントローラやスマホでタップした操作が、画面に反映されるまで時間がかかります。
ゲームのジャンルにもよりますが、対人格闘系、シューティングゲームはping値が30ms以下でないと動作に支障をきたすでしょう。MMORPG、MORPGでも、推奨ping値は50ms以下。快適な応答速度で遊べるゲームは、将棋や囲碁、カードゲームなどボードゲームぐらいと考えたほうが無難です。
3-3. レンタル端末だから故障や紛失は賠償金が請求される
完全無制限WiFiの端末はレンタル品なので、契約中に端末を壊したり、失くしたりすると20,000円前後の賠償金を支払わなければなりません。各社で月額500円程度の端末補償オプションを用意しています。補償内容は会社ごと異なりますが、端末の自然故障や水没による故障は、無償で修理、新品に交換してもらえる場合が多いです。端末の故障が心配な人は、申し込みの際に補償オプションに加入するとよいでしょう。
レンタル品なので解約後に指定の期日までに端末一式を返却しないと、故障や紛失時と同額の賠償金が発生するので注意してくださいね。
3-4.キャンペーンがほとんどない
完全無制限モバイルWiFiは、WiMAXや光回線のようなキャッシュバックや月額料金割引などキャンペーンがほとんどありません。キャンペーンの特典を期待する人には、少し物足りないかもしれません。
3-5.レンタルで契約できる会社が少ない
完全無制限モバイルWiFiは、数日間や1か月間など短期レンタルができる会社がほとんどありません。契約期間が2年契約の会社ばかりです。今後、短期レンタルできる会社が増える可能性はありますが、2019年12月時点では選べる会社が少ないと思ってください。
まとめ
2019年になってから日数・月間制限のない完全無制限モバイルWiFiが登場しました。従来のモバイルWiFiにない画期的な次の5つの特徴を持つため、少しずつ利用者が増えています。
- 速度制限が一切ない
- 平均実効速度は20~30Mbpsと動画でも快適な速さ
- 対応エリアは全国各地
- 海外100か国以上で利用可能
- 月額3500円前後と安い
しかし、次の注意点があることも覚えておきましょう。
- 不正利用をすると通信制限がかかる
- ping値は遅いのでゲームには不向き
- レンタル端末だから故障や紛失は賠償金が請求される
- キャンペーンがほとんどない
- レンタルだと選べる会社が少ない
完全無制限モバイルWiFiの注意点を踏まえて、目的別に格安で使える無制限WiFiを4つ紹介しました。
- 口座振替で料金を払える完全無制限モバイルWiFi:どんなときもWiFi
- 料金がとにかく安い完全無制限モバイルWiFi:よくばりWiFi
- お試し利用できる完全無制限モバイルWiFi:Mugen WiFi
- 実効速度が速い月間無制限のモバイルWiFi:GMOとくとくBB WiMAX
今回、紹介した記事を参考にして、自分の利用目的にあった使いやすい無制限モバイルWiFiを選んでくださいね。
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