通信速度が10Mbpsとは良い状態?|用途別に快適さの基準を徹底解説!

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インターネットを使ううえで気になるのが、自分が使っている回線の通信速度です。

通信速度を計測して10Mbpsも出ていれば、ある程度のことは快適に行えます。しかし、用途によっては10Mbpsの速度だと快適にできない場合があります。特にオンラインゲームでは10Mbps以上の通信速度が求められる場合があり、注意しなければいけません。

そこで、ここでは通信速度が10Mbpsの状態は良いものなのか解説します。用途別に快適な速度の目安もご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

10Mbpsとは

10Mbpsという通信速度を理解するためには、通信速度の単位を知っておく必要があります。単位について知れば、10Mbpsとはどれほどの速度なのかが見えてきます。そこで、まずは以下の3つを解説します。

  • Mbpsの位置付け
  • 1Gbpsなどの最大通信速度は実際には出ない
  • 通信速度の計測方法

Mbpsはギガの次の単位

インターネットの通信速度は、下記3つの単位で構成されています。下の単位になるほど、通信速度は速いです。

  • Kbps(キロビーピーエス)
  • Mbps(メガビーピーエス)
  • Gbps(ギガビーピーエス)

Kbpsはウェブサイトの閲覧が可能Mbps以上は動画再生ができる速度の単位です。

GbpsはMbpsが1000以上のなったときに用いられる単位で、たとえば1000Mbpsは1Gbpsということになります。とはいえ、実効速度がGbpsになることはありません。実効速度の単位は、基本的にMbpsとなります。

なお、bpsとは1秒間に転送できるデータ量を表す単位です。通信速度が10Mbpsであれば、1秒間に10MBのデータを転送できます。

1Gbpsなどの最大通信速度は実際には出ない

各種のネット回線が公式サイトに記載している『最大通信速度』は下りと上りのどちらもあくまで理論値で、実際には出ないのが一般的です。

回線種別最大通信速度
光回線1Gbps(マンションでは100Mbpsになる場合あり)
モバイルルーターWiMAX:867Mbps
Pocket WiFi:866Mbps
ホームルーターWiMAX:867Mbps
ソフトバンクエアー:350Mbps

※上記はすべてダウンロード速度です(アップロード速度ではありません)。

とはいえ、上記の最大通信速度は、ネット回線の実効速度の目安の基準になります。

とことん通信速度が速い回線を求めるのであれば光回線、ウェブサイトやSNS・動画が見られたらOKならモバイルルーターおよびホームルーターをといった選び方ができます。

通信速度の計測方法

自分が利用しているネット回線の通信速度は、以下のサイトを活用すれば簡単に計測できます。

サイトURL
Speedtest.nethttps://www.speedtest.net/
Google SpeedtestGoogle検索で「speedtest」と入力して検索すると利用できる。
インターネット回線の速度テスト(Fast.com)https://fast.com/ja/

Speedtest.netとGoogleでは、測定ボタンを押すだけで回線速度の計測結果が表示されます。インターネット回線の速度テストでは、アクセスすると自動的に測定がはじまります。上記のサイトはスマホとPC(パソコン)のどちらでも活用できます。

10Mbpsでできること3つ

さまざまなネット回線の最大通信速度を考えると、10Mbpsは遅い速度という印象を受けます。しかし、一概に10Mbpsという速度は遅いとは断言できません。10Mbpsでは高画質での動画再生までできるからです。

10Mbpsでできることをご紹介します。

ウェブサイトの閲覧・メールやLINEはなんなくできる

ウェブサイトやSNSを見たり、メールやLINEの送受信に必要な通信速度は1Mbpsとされています。そのため、10Mbpsの速度はウェブサイトの閲覧からLINEのやりとりをスムーズにできるレベルです。

ちなみに、理論上だと実効速度が1Mbps以下になってもウェブサイトやSNSの利用は可能ですが、読み込み速度が著しく低下します。インターネットを利用するうえで、通信速度は最低でも1Mbps以上であるべきと思ってください。

高画質動画の視聴はある程度可能

画質によりますが、10Mbpsの速度では標準画質はもちろん、高画質動画の再生まで可能です。なので、10Mbpsでも快適にYouTubeが見られます。

ただし、再生できる画質は720pが限度と考えてください。画質を1080pにすると読み込みが追いつかなくなり、動画の再生が止まる可能性が高いです。4K画質になると読み込みに時間がかかり、すぐに再生はできません。

オンラインゲームができるかは種類による

10Mbpsでオンラインゲームを快適にプレイできるかは、ゲームの種類によります。麻雀やポーカー、遊戯王といったテーブルゲームは、10Mbpsでも問題なくプレイできます。

FPSや格闘ゲームをはじめとしたアクションが激しい対戦ゲームだと、ラグ(遅延)が生じる可能性が高いです。実効速度が10Mbpsでも、Ping値が速ければ快適にプレイできます。しかし、実効速度が10Mbpsほどだと、Ping値は速くなりにくいです。

10Mbpsではできないこと3つ

通信速度が10Mbpsの状況でも、ある程度快適にはインターネットを使用できます。しかし、以下3つの用途は、通信速度が10Mbpsの環境では適していません。

  • 4K動画の再生
  • さらに高画質で配信している動画サイトの利用
  • 瞬発的な動きが多いオンラインゲーム

10Mbpsでできないことを詳細に解説します。

4K動画の再生は困難

通信速度が10Mbpsの状態では、4K画質の動画再生はできないと考えるべきです。システム上では再生の操作が可能ですが、読み込みだけでも長時間かかり、まともに再生できません。配信サイトによりますが、4K動画の再生には最低でも20Mbps以上の通信速度が必要です。

ネットで4K動画を見たいのであれば、通信速度が20Mbps以上になるための対処が必要です。

配信サイトによっては10Mbpsで再生できない場合あり

月額動画配信サービスの中には、10Mbpsでは再生できないところがあります。配信サービス別に、推奨の下り通信速度を表にまとめました。

月額動画配信サイト推奨通信速度
U-NEXT2Mbps以上
Netflix最低画質:0.5Mbps以上
標準画質:1.5Mbps以上
SD画質:3Mbps以上
HD画質:5Mbps以上
4K画質:25Mbps
AmazonプライムビデオSD画質:1Mbps以上
HD画質:5Mbps以上
Hulu3.0~5.0Mbps
TSUTAYA TV3Mbps以上
dTV2~4Mbps
DAZN8Mbps以上

理論上では、通信速度が10Mbpsだと4K画質でない限り、どの配信サイトでも視聴が可能です。しかし、通信速度の平均値が10Mbpsだと、瞬間的に10Mbps以下になり動画が止まる恐れが生じます。

月額動画配信サイトを利用するのであれば、通信速度の平均値が10Mbpsを上回る状態にしておきたいところです。

FPSやTPS・格闘ゲームではラグ(遅延)が起きやすい

動きの激しいFPSやTPS、格闘ゲームは10Mbpsだとラグが起きて快適にプレイできません。通信速度が10Mbpsだと、比例してPing値も遅くなりがちだからです。

Ping値は回線の応答速度で、ボタンを押してからゲームが反応するまでのスピードとなります。Ping値は数値が小さいほど良いとされています。通信速度が10MbpsだとPing値は30ms以上になりやすく、動きの激しいオンラインゲームでは頻繁にラグが生じます。

オンラインゲームをするのであれば、通信速度が10Mbps以上、Ping値が30ms以下になるネット環境にしましょう。

通信速度が10Mbps以下になる原因・対処法

通信速度が10Mbps以下になる原因は、7通りあります。原因の項目別に、対処法を表にまとめました。

原因対処法
周辺機器かデバイスの不具合電源を切って再起動
周辺機器やデバイスのスペック不足スペックの高い周辺機器、デバイスを利用する
Wi-Fiルーターから離れすぎているより発信範囲の広い無線LANルーターを利用する
Wi-Fiが他の電波と干渉している5GHz帯のWi-Fiに接続する
ユーザーの増加による回線の混雑IPv6対応の光回線へ乗り換える
【モバイル回線】電波が届きにくい場所に端末を置いている端末を窓際に置く
パラボラアンテナを使う
【モバイル回線】速度制限を受けている速度制限が解除されるのを待つ
光回線へ乗り換える

通信速度が10Mbps以下になる原因と対処法を詳しく解説します。

周辺機器かデバイスの不具合は原因としてありがち

もっとも可能性がある要因は、周辺機器やデバイスに発生している動作不良です。周辺機器やデバイスの不具合で、通信速度が10Mbps以下になるパターンは非常に多いです。

周辺機器やデバイスにはインターネットへのアクセスログが記録され続け、これが膨大な量になると不具合が生じるほどの負荷となります。しかし、アクセスログは周辺機器やデバイスの電源を切るだけで消去されるので、速度が遅いときは再起動をしてみるといいでしょう。

OSやファームウェア、セキュリティソフトのアップデートも、通信速度を改善する効果が期待できるので試してみてください。

周辺機器やデバイスのスペックが足りていない

周辺機器とデバイスのスペック不足も、通信速度が10Mbpsを下回る要因として挙げられます。

Wi-Fiでインターネット接続しているのであれば、無線LANルーターやデバイスのスペックを見直してみましょう。Wi-Fiでの通信速度は、無線LANルーターやデバイスがどの無線LAN規格に対応しているかで変化します。

無線LAN規格の種類をまとめましたが、安定して通信速度が10Mbps以上になる状態を保つには、IEEE802.11ac対応機種を使うのが理想です。

無線LAN規格最大通信速度
IEEE802.11ac6.9Gbps※1
IEEE802.11n600Mbps※1
IEEE802.11g54Mbps
IEEE802.11b11Mbps
IEEE802.11a54Mbps

※1:IEEE802.11acとIEEE802.11nの最大通信速度は機種ごとに異なります。

有線でインターネットに接続しているのであれば、ルーターとデバイスに付いているLANポートの規格、LANケーブルの対応規格もチェックしておきたい要因になります。LANポートの規格も下記3つの種類があります。

LANポート規格最大通信速度
1000BASE-T1000Mbps(1Gbps)
100BASE-T100Mbps
10BASE-T10Mbps

安定して通信速度が10Mbps以上になる状態を保ちたいのであれば、LANポートの規格が100BASE-T以上のルーターやデバイスがおすすめです。

有線接続ではLANケーブルの規格でも通信速度が変わるので、注意してください。

LANケーブル規格最大通信速度伝送帯域
CAT8(カテゴリー8)40Gbps2000MHz
CAT7(カテゴリー7)10Gbps600MHz
CAT6A(カテゴリー6A)10Gbps500MHz
CAT6(カテゴリー6)1Gbps250MHz
CAT5e(カテゴリー5e)1Gbps100MHz
CAT5(カテゴリー5)100Mbps100MHz

安定して10Mbps以上の速度が出るようにするためには、CAT5e以上のLANケーブルが必要です。

Wi-Fiルーターから離れすぎている

Wi-Fiでインターネットにアクセスしている場合、Wi-Fiルーターとの距離も速度に影響を及ぼす要因と考えられます。

Wi-Fiルーター(無線LANルーター)から離れすぎるとWi-Fiの接続状態が不安定になり、通信速度の低下を招きます。特にデバイス側の画面に表示されている扇マークの点滅線が少ないと、Wi-Fiルーターと離れすぎている可能性が高いです。

Wi-Fiルーターとの距離が速度低下の原因であれば、以下のどちらかの方法を試してみてください。

  • より広い範囲にWi-Fiを発信できるWi-Fiルーターを使用する
  • 中継器を導入する

おすすめなのは、より高性能なWi-Fiルーターの利用です。より広い範囲にWi-Fiを飛ばせるルーターを使用すると、安定した速度で通信ができる電波をより広範囲に飛ばせます。

中継器の導入も選択肢ではありますが、電波の届く場所が広がる代わりに通信速度が低下するリスクが伴います(中継の利用によって親機が発信する信号が抵抗を受けるためです)。

Wi-Fiが他の電波と干渉している

使用しているWi-Fiが家電製品の電磁波と干渉して、通信速度が10Mbps以下になるパターンもあります。電子レンジやテレビの近くでWi-Fiを利用すると、家電製品との干渉によって速度が遅くなりやすいです。

家電の近くでWi-Fiを使うことが多い、または家電の近くにWi-Fiルーターを置いているのであれば、5GHz帯のWi-Fiを活用してみましょう。

Wi-Fiルーターは2.4GHzと5GHzのWi-Fiを発信していますが、どちら使うかで電磁波と干渉する可能性がかなり変わります。2.4GHzと5GHzのメリット・デメリットを表にまとめました。

周波数帯メリットデメリット
2.4GHz壁や柱に強い家電が発する電磁波と干渉しやすい
5GHzと比べて通信速度が遅い
5GHz家電の電磁波と干渉しない
通信速度が速い
壁や柱に弱い

2.4GHzはWi-Fi以外にも、家電を動作させる電磁波として用いられている周波数帯です。同じ周波数帯を用いているため、家電の近くでWi-Fiを使うと干渉によって速度低下が起きるわけです。

5GHzは基本的にWi-Fiでのみ使われている周波数帯なので、家電の電磁波と干渉せず通信速度が安定しやすいです。

ですので、Wi-Fiでの通信速度が遅いと感じたら、5GHz帯への切り替えも行ってみてください。

利用者の増加による回線混雑

夜に通信速度が10Mbps以下になる場合、ネットを使うユーザーの増加によって回線が混雑していると考えられます。夜はネットを使うユーザーが多く、固定回線を契約していても通信速度が遅くなりがちです。しかし、IPv6対応の回線への乗り換えると、この問題を解消できます。

IPv6とはIPアドレスの不足問題を避けるために普及が進んでいるプロトコルですが、IPoE方式で通信ができるメリットがあります。IPoEではプロバイダを介さずダイレクトにインターネットへアクセスできるので、時間帯を問わず10Mbps以上のスピードが出ます。

ただし、一部のプロバイダのIPv6はIPoE非対応なので、他社へ乗り換える場合は注意してください。また、対応回線・プロバイダを契約中で、利用しているルーターがIPv6非対応のパターンもあり得るので気をつけましょう。

【モバイル回線】電波が届きにくい場所に端末がある

モバイルルーター、ホームルーターでは、電波が届きにくい場所に端末を置いているせいで通信速度が10Mbps以下になる場合があります。そのため、ルーターが電波を受信しやすい状態にするために、端末を窓際に置いてみてください

モバイル端末用の電波には、自宅と外のどちらでも壁や柱などの障害物に弱い欠点があります。端末を窓際に置くだけで通信速度が10Mbps以上になるパターンは多いです。

今いる場所がモバイル回線の提供エリアなのかも、念のために確認しておきましょう。もし自宅がモバイル回線の提供エリア外なのであれば、固定回線への乗り換えがおすすめです。

【モバイル回線】速度制限がかかっている

WiMAXのモバイル回線には速度制限があり、定められたデータ容量を使うと通信速度が制限されてしまいます。事業者別に速度制限の内容は下記の通りで、制限を受けると必ず数値が10Mbpsを下回ります。

事業者速度制限速度制限の内容
WiMAX3日で10ギガの制限(ギガ放題プラン)直近の3日間で10GBを利用した翌日18時から翌々日2時まで速度が1Mbpsに制限される
7GBの制限(ライトプラン)月末まで速度が128Kbpsに制限される
ハイスピードプラスエリアモードでの7GBの制限(全プラン共通)月末まで速度が128Kbpsに制限される
ポケットWi-Fi3日で10ギガの制限(アドバンスモード利用時)直近の3日間で10GBを利用した翌日18時から翌々日1時まで速度が1Mbpsに制限される
7GBの制限(通常プラン)月末まで速度が128Kbpsに制限される

速度制限を受けると、解除されるのを待つしか方法はありません。速度制限を頻繁に受けてストレスを感じているのであれば、制限のない光回線への乗り換えを検討してみましょう。

まとめ:10Mbpsは快適な速度だが、用途次第では改善を

ここでは、10Mbpsの通信速度は快適なのかについて解説しました。

10Mbpsの速度ではウェブサイトの閲覧やSNSの利用、動画の視聴まで可能です。ただし、4K画質の動画視聴は難しく、画質にこだわるならより速度が優れた回線環境が求められます。月額動画配信サイトによっては、10Mbpsだと快適に視聴できない場合もあります。

10Mbpsの速度でオンラインゲームを快適にプレイできるかは、ゲームの種類によるので注意してください。FPSや格闘ゲームのオンライン対戦では遅延を感じるので、より速い速度の出る回線が必要です。その他のゲームでは、10Mbpsでも快適に遊べる場合が多いです。

もし頻繁に通信速度が10Mbpsを下回るのであれば、以下の対処法を試してみてください。

  • 周辺機器やデバイスの再起動
  • スペックの高い周辺機器やデバイスを利用する
  • より高性能なWi-Fiルーターや中継器を利用する
  • IPv6対応の光回線へ乗り換える

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